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東北大学グローバルラーニングセンター GLOBAL LEARNING CENTER, TOHOKU UNIVERSITY

2023年度第1回 グローバル萩海外留学奨励賞・グローバルリーダー認定証授与式

グローバル萩海外留学奨励賞受賞者集合写真
グローバル萩海外留学奨励賞受賞者

グローバルリーダー認定者集合写真
グローバルリーダー認定者



日時2023年8月3日(木) 17:00~17:45
会場片平北門会館エスパス

2023年8月3日(木)に東北大学片平北門会館エスパスにて、2023年度第1回「東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞授与式」及び「東北大学挑創カレッジグローバルリーダー育成(TGL)プログラム グローバルリーダー認定証授与式」を開催しました。

グローバル萩海外留学奨励賞はこの夏・秋から海外留学をする優秀な学生に、グローバルリーダー認定証はTGLプログラムに参加し所定の条件を満たしてグローバルリーターに認定された学生に授与されるものです。

今回は、15名がグローバル萩海外留学奨励賞を受賞し、17名がグローバルリーダーに認定されました。
授与式には、グローバル萩海外留学奨励賞受賞者10名、グローバルリーダー認定者14名が出席し、滝澤理事・副学長より受賞者および認定者に対しお祝いと激励の言葉が贈られた後、グローバル萩海外留学奨励賞受賞者には冨永理事・副学長から、グローバルリーダー認定者には滝澤理事・副学長から1人1人に証書が授与されました。

また、グローバル萩海外留学奨励賞受賞者を代表して工学研究科博士課程前期1年の西浦聡志さん、グローバルリーダー認定者を代表して工学部4年の髙藤実結さんがそれぞれスピーチをし、現在取り組んでいることや今後の目標などについて力強く語りました。

式典終了後には、受賞者・認定者と出席した本学役員との懇談の機会が設けられ、学生の皆さんが挙手制で自己紹介をしたり、役員から海外での経験談やアドバイスをいただいたりと和やかな雰囲気で交流が行われました。

受賞者・認定者の皆さんの今後のますますの活躍を期待しています。


東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞について詳しくはこちら

TGLプログラム グローバルリーダー認定制度につて詳しくはこちら

グローバルリーダー認定者一覧はこちら



  • 瀧澤理事からの祝辞
  • グローバル萩受賞者に証書授与
  • GL認定者に証書授与
  • 懇談会

グローバル萩海外留学奨励賞 受賞者代表挨拶


工学研究科博士課程前期1年 西浦聡志さん

このたびは、グローバル萩海外留学奨励賞を受賞する栄誉にあずかり、大変光栄に思います。受賞者一同、東北大学を代表する一員として海の外へ向かえることに大きな喜びと共に身が引き締まる思いでおります。留学先でも誇りと責任を胸に奮励努力していきたいと思います。

思えば、私は幼少期より飛行機が大好きでした。ですが、その飛行機への情熱を形にするすべをもたないままに私は5年前、この東北大学へと入学しました。そしてここで学部の4年間を過ごし、様々な専門知識を広く、深く身に着けるうちに、自身の情熱の向かうべき先がゆっくりと形となって見えてきました。それこそが、私の現在の研究テーマであるエンジンです。
私はアメリカ・パデュー大学で交換留学を行うため、ちょうど来週アメリカへ発ちます。その際は当然、飛行機を使用するわけですが、成田空港からシカゴ・オヘア空港までは約12時間もの時間がかかります。私は将来、これを3時間で行けるようにしたいと考えております。いま東京から大阪へ向かうぐらいの気軽さで、将来は東京からロンドンやシドニー、ニューヨークへ行けるようにする。ニューヨークのブロードウェイでミュージカルの昼公演を観た後、自宅で夕食を取れるような世界が実現したら、素敵だとは思いませんか。私はこの人生を使ってこの夢を実現に取り組みたいと思っています。
もう少し具体的に言うと、音速の何倍もの速度で動かすことのできる次世代のジェットエンジンを実現させることで、超高速で世界を結ぶ旅客機を実現させたいと思っています。このエンジンはスクラムジェットエンジンと呼ばれるエンジンで、最近では映画トップガン マーヴェリックの冒頭に登場するなど、少し世間の注目を集めている技術でもあります。
しかし多くの技術的困難が存在し、スクラムジェットエンジンの概念が提唱されてより100年以上がたちますが、いまだ実用化できていないエンジンです。ですが近年、実用化に向けた動きが世界中で加速してきており、音速の5倍を超えるような旅客機に乗れる日もそう遠くはないと私自身感じてきております。

しかしいまだ課題が多いのもまた事実です。そうした課題の一つを解決するための研究を現在、東北大学流体科学研究所で私は行っています。流体科学研究所は日本でも数少ない、国際的にみても非常に充実した研究設備を備えた研究機関です。ですが、海の向こう、アメリカでは日本に比してより多くの研究者が様々な研究機関でこの次世代エンジンの開発に取り組んでいます。
そうした多くの同じ課題に取り組む研究者たちと交流することは今後の研究において必ず役立つものとなると確信しております。そしてそこで得られた知見・知識を東北大学へ持ち帰り、さらなる研究の発展につなげたいと考えております。

我々一同、この奨励賞を助けとして留学を必ずや成功させ、その成果をこの国・この大学に持ち帰りたいと思います。



グローバルリーダー認定者代表挨拶


工学部4年 髙藤実結さん


この度は、グローバルリーダーとして認定していただいたこと、大変光栄に思います。また私達のために本日このような場を設けてくださり、認定者を代表して御礼申し上げます。

 常に新しいことにチャレンジし、成長できる機会を自らつかむこと、これが私の思うグローバルリーダーの根幹であると同時に、TGLプログラムを通して得られた最大の成果といえます。大学に入学した当初、私にとって一番の課題は、考えたことを行動に移すための積極性でした。「行動力」は意識次第で変えられるものでありながら、その意識を根本的に変えることが難しいのです。今振り返ると、自分を変えるために、何か行動を起こしたい、ただその思いでグローバルゼミを履修したことが、私のターニングポイントとなりました。グローバルゼミでは、課題解決へのプロセスや意識の持ち方を学び、グローバル人材に求められる能力の基礎を習得しました。また、オンライン中心の大学生活の中で高い志を持つ仲間の存在は、その後の様々な活動において大きなモチベーションとなりました。

 グローバルゼミの他にも、これまでに履修した国際共修授業、マラヤ大学へのオンライン留学からは、多くの新たな視点を得ることができました。留学生との交流では、度々彼らの発信力の高さに気づかされます。多様な文化背景の人々とコミュニケーションをとる異文化交流の際には、相手の文化を理解し、受け入れるだけではなく、自国の文化を理解し、それを発信できることも重要であると気づかされました。またオンライン留学は、私にとって大きな自信にもなりました。私が中学生の頃に参加した短期海外研修では、自身の考えをほとんど言葉にできず、それ以来留学に対して抵抗感がありました。しかし、東北大学でのオンライン留学では、言語や文化的背景の異なる環境で有意義な時間を過ごし、これまでの学びが身になっていることを実感しました。今では海外での研究にも興味がわき、グローバルリーダーに向けた道が大きく開けたように感じています。

TGLプログラムで培った行動力は、他の場所にも活きています。私が目指す先は、グローバル社会で活躍する研究者です。この目標のため、3年生の時には学科の研究室でアドミニストレイティブ・アシスタントを務めました。研究活動の中では失敗や行き詰まることもありましたが、問題に向き合うことで対応力や柔軟性を身につけました。また、学会のサポートや研究発表を経験し、研究者に求められる語学・コミュニケーション力や発信力を学びました。

私は現在、有機化学を専攻しています。有機合成は、新たな化合物の合成や、コスト、環境保全の面でより優れた合成経路を研究する学問分野です。この分野の研究は、医薬品や材料の開発、天然物の合成、環境保全など多岐にわたり、人間の生活や社会、引いては地球環境の維持向上に貢献する役割を担っています。つまり、有機化学の研究は、医学、薬学、生物学など様々な分野と繋がっています。そのため、研究者は異なる分野の専門家とネットワークを構築し、相互の理解を深め、協力していかなければなりません。

グローバルリーダーは、1つの分野で完結しません。異なる分野のエキスパートが互いに連携し、共に成長していくことが重要です。異なる知識や経験を結集することで、社会的な課題に取り組んでいきます。 私たちは、TGLプログラムを通してそのために必要な能力を学び、身につけてきました。この学びと自身の経験を信じ、未来に向けて挑戦し続けましょう。

最後に、東北大学グローバルリーダーという1つの目標を達成できたのも、大野総長、滝澤理事・副学長をはじめとした先生方、職員の皆様のご指導、また家族や友人のサポートがあったからです。この場をお借りして深く感謝申し上げます。最後に、私の考える、行動力の支えとなる意識の持ち方について英語で述べ、挨拶とさせていただきます。

The ability to take action greatly depends on one's mindset. Many people become unable to take action because they convince themselves that they cannot do it or fear the possibility of failure. I used to be the same. Considering this, there are two perspectives that I value and hold dearly.
Firstly, it is crucial to express our thoughts and share them with others, as well as to gather information. By doing so, we may unexpectedly receive advice from experienced individuals or discover things we are capable of doing ourselves. Moreover, those around us will undoubtedly support us in achieving our goals.
The second perspective is to adopt the mindset of "Learn from failure." While we are told not to view failure as a negative thing, it can be intimidating at first. Therefore, it is essential not to overthink and simply try our best. Eventually, we will come to see failure as a part of our learning experience.
Taking that initial step will enable us to gain strength from every experience we encounter. Let us seize all the opportunities that come our way and not miss any chances that we should take.
Thank you.


なお、授与式については東北大学のウェブサイトおよびSNSにも記事が掲載されています。
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