2025年度第1回 グローバル萩海外留学奨励賞・グローバルリーダー認定証授与式
日時 | 2025年8月6日(水) 17:00~17:45 |
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会場 | 片平北門会館エスパス |
2025年8月6日(水)に東北大学片平北門会館エスパスにて、2025年度第1回「東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞授与式」及び「東北大学挑創カレッジグローバルリーダー育成(TGL)プログラム グローバルリーダー認定証授与式」を開催しました。
グローバル萩海外留学奨励賞はこの夏・秋から海外留学をする優秀な学生に、グローバルリーダー認定証はTGLプログラムに参加し所定の条件を満たしてグローバルリーターに認定された学生に授与されるものです。
今回は、30名がグローバル萩海外留学奨励賞を受賞し、18名が東北大学グローバルリーダーに認定されました。
授与式には、グローバル萩海外留学奨励賞受賞者14名、グローバルリーダー認定者15名が出席し、冨永総長より受賞者および認定者に対しお祝いと激励の言葉が贈られた後、代表者に証書が授与されました(グローバル萩海外留学奨励賞:情報科学研究科博士課程後期2年 近野 翼さん、東北大学グローバルリーダー認定:法学部3年山崎 快さん)。
その後、グローバル萩海外留学奨励賞受賞者を代表して工学研究科博士課程前期1年の風間 玲香さんがスピーチをし留学の目的や目標、基金への感謝などを述べました。また、グローバルリーダー認定者を代表してスピーチをした医学部4年の松下 明日香さんは、これまでの学生生活で学んだことや今後の目標などについて力強く語りました。
受賞者・認定者の皆さんの今後のますますの活躍を期待しています。
東北大学基金グローバル萩海外留学奨励賞について詳しくはこちら
TGLプログラム グローバルリーダー認定制度につて詳しくはこちら
グローバル萩海外留学奨励賞 受賞者代表挨拶

工学研究科修士1年 風間玲香さん
本日はこのような機会を頂き、誠にありがとうございます。グローバル萩受賞者を代表し、留学の機会を頂いたことへの感謝の気持ちを込めて、一言ご挨拶申し上げます。多くの支援の下で留学に挑戦できることに、心から感謝しております。
私は高校生のころから海外や異文化、そして外国語に強い関心を持っており、大学に入学したら留学したいと考えていました。しかし、大学に入学した時期はコロナウイルスが世界的に流行しており、国境を越えた人的交流が完全に止まりました。その影響で、私自身の中でも留学への意識が次第に薄れていった時期がありました。それでも、コロナの終息とともに国際交流の機会が徐々に戻ってくる中、留学が現実的な選択として、再び考えられるようになりました。
学部2年生の時、渡航制限が緩和されたことで、東北大学の短期留学プログラムに参加する機会を得ることができました。この時、フランスやスペインの大学を訪れたことが私にとっての大きな転機となりました。現地の学生と交流した経験は異なる文化や価値観に直接触れる貴重な機会となり、当たり前に感じていた価値観が変わる感覚を覚え、視野が広がるのを実感しました。この経験が私の中に「将来はグローバルな舞台で活躍したい」という意識を芽生えさせました。
さらに、授業の一環として台湾を訪問する機会にも恵まれました。現地では研究室の見学や台湾の大学院生との交流を通じて、多様なキャリア観に触れることができました。その際に合った学生の中にはダブルディグリーに挑戦している方や、企業勤務を経て博士課程に進んだ方もおり、それぞれがキャリアを主体的に切り開いている姿勢に大きな刺激を受けました。この経験を通じて、自分自身の将来を考えるようになり、本格的に交換留学に挑戦したいという思いが芽生えました。
私はこの交換留学を通じて、自分の視野を広げ、将来国際的な技術者として、グローバルな視点から社会課題解決に貢献するための能力を身に着けたいと考えています。
私は現在、3つの目標を掲げています。
一つ目は環境問題に関する知見を深めることです。現在、私は大学院において水素を利用した触媒材料に関する研究に取り組んでいます。水素はクリーンエネルギーとして注目されており、その活用に向けた触媒開発は環境負荷の低減に深く関わる研究です。世界の中でも環境意識の高い国として知られるスウェーデンにおいて、持続可能な材料や環境触媒に関する先進的な知見を学び、自身の専門性をさらに高めたいと考えています。また、環境問題に対する考え方に触れ、自分自身の視点をより多角的にしていきたいと思っています。
二つ目の目標は英語コミュニケーション力を培うことです。専門的な知識を深める一方で、技術を社会に生かすためには、国際的な視点や多様な人々と協働することが必要不可欠であると感じています。留学先では、講義やディスカッションを通じてそうしたコミュニケーション能力を実践的に養いたいと考えています。また、研究活動においても異なるアプローチや考え方に触れることで、自身の研究の幅を広げるきっかけになると期待しています。
三つ目の目標は人脈を作ることです。留学中に得られる多様な人脈は将来的に国際的な技術者としての活動基盤を築く上で非常に貴重な財産になると考えています。異なる文化を背景にもつ人々と協力しながら、課題解決に取り組む経験は、自分自身の成長につながると確信しています。将来のキャリア形成においても、国際的な人的ネットワークは欠かせない重要な要素であると感じています。
帰国後は、将来のビジョンである、国際的な技術者として、グローバルな視点からの社会課題解決への貢献できるよう、一層努力します。持続可能な社会の実現に向けた材料開発に関われるよう、スウェーデンで学んだ持続可能性の考え方や材料に関する知見など、留学経験を通して得た学びを、将来必ず日本の社会や産業に還元できるよう精一杯取り組んでまいります。
改めまして、留学という成長の機会 をいただけることに深く感謝申し上げます。本日は誠にありがとうございました。最後に、英語で留学の目標を述べさせていただき、代表挨拶とさせていただきます。
I have 3 main goals for my upcoming exchange program.
First, I would like to deepen my understanding of environmental technologies. My current research focuses on hydrogen storage alloys, which play an important role in reducing environmental impact. I’m eager to explore how advanced sustainability approaches are being implemented in Sweden. I hope to gain new insights that will enhance my studies.
Second, I aim to improve my English proficiency to communicate and collaborate more effectively with my future international colleagues. By studying and spending time with people from different cultural backgrounds, I hope to develop the confidence necessary to engage in global discussions.
Third, I will make efforts to build lasting international connections, relationships, and networks during this study abroad, which will be the foundation for my future career as an engineer working across the world.
I’m grateful for the generous support that has made this opportunity possible. I strive to expand my knowledge and skills and make meaningful contributions academically and socially. Thank you.
グローバルリーダー認定者代表挨拶

医学部4年 松下 明日香さん
この度は、グローバルリーダーとして認定していただいたこと、大変光栄に思います。
また、私達のために、本日このような場を設けてくださったことを、認定者を代表して、心より御礼申し上げます。
私がTGLプログラムに参加したきっかけは、「少子高齢化が進む日本の未来が不安だから、いずれは海外で働きたい」という思いからでした。
今思えば、当時の私は、日本のこともよく知らず、視野が狭かったと思います。
TGLプログラムでは、同じように海外に関心を持つたくさんの仲間と出会いましたが、その多くは、「日本から離れたい」ではなく、「日本を含むいろいろな国や社会をより良くしたい」と考え、そのために明確なビジョンを持って努力をしていました。
彼らとの出会いは、私の視野を大きく広げてくれました。
グローバルゼミでは、チームで解決したい課題を見つけるところから始め、解決策を考え、実際に行動に移すという経験をしました。
文献を読むだけでなく、実際にインタビューをしたり、考えたアプローチを試してみたりする中で、
行動することでしか得られない学びがあることを実感し、行動力の大切さを感じました。
これをきっかけに、私は留学やインターン、ボランティアなど、様々な挑戦をするようになりました。
中でも私にとって最も大きな挑戦が、昨年度のシンガポール国立大学への4ヶ月間の研究留学です。
留学中にお世話になったラボには日本人はおらず、中華系メンバーが多く、中国語と英語が飛び交うアウェーな環境でした。
最初は全く分からない中国語の飛び交う環境に馴染めないのではないかと、とても不安でしたが、お互いに会話を重ねるうちに、そうした不安は解消され、かけがえのない友人となることができ、彼らと語り合う中で多くのことを学びました。
友人たちとの交流を通して、同じ民族でも出身地やこれまで過ごした環境によって考え方が全く異なること、全く違うバックグラウンドでも会話を重ね、歩み寄ることで理解し合えること。
また、お互いの国のことについて話し合う中で、今までと違った視点から自国を見つめ直すことができました。
そうした中で、長い歴史を持ち、四季の変化が美しい日本ならではの日本文化の魅力を再発見することができ、私は「日本が好きだ」という気持ちに気づくことができました。その結果、今までのように「日本から離れたい」というのではなく、「日本の未来をより良くするために、自分に何ができるのか」と考えるようになりました。
私の日本への思いはこのように変化を遂げましたが、しかしながら、依然として現在の日本は少子高齢化の中、多くの課題を抱えています。
医療分野では医療財政の逼迫による保険制度の持続可能性が問われ、過疎化の進む地方では医療者不足が深刻になっています。
私は、今ではそうした日本の医療の未来に貢献できるグローバル人材になりたいと考えています。
TGLでの学びは、私に「行動する力」、そして「多角的な視点」の重要性を教えてくれました。
医療を臨床だけでなく、制度や技術、政策といった多様なアプローチから支える人材になりたいと思っています。海外からも積極的に学び、次の世代が安心して未来に希望を持てる、持続可能な社会の実現に貢献したいです。
本日、グローバルリーダーに認定された皆さんは、それぞれ異なるきっかけでTGLプログラムに参加され、認定を目指す中で、多くの経験を積み、努力を重ね、かけがえのない学びを得られてきたことと思います。
私たちがこれから進む道や活躍する分野は様々ですが、皆さん一人ひとりが、きっと世界を舞台にご活躍されると思います。
私自身にとっても、「グローバルに活躍したい」という志を持つ仲間の存在は大きな励みとなりました。そして、その仲間たちから、たくさんの刺激と学びをいただきました。
社会課題を解決していくためには、異なる分野の専門家が協力し合い、それぞれの知識や経験を持ち寄ることが必要不可欠です。
これからも皆さんと互いを励まし合いながら、共に学び、挑戦を続けていけたらと願っています。
TGLプログラムで、こうして多くの学びと成長の機会を得られたのは、冨永総長をはじめとする先生方、日頃からご指導くださる研究室の先生方、職員の皆さまのご指導やご支援、プログラムでのたくさんの出会い、さらには家族や友人の支えがあったからだと深く感じています。
この場をお借りして、関わってくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
最後に、私の考えるグローバルリーダー像について英語で述べ、私からのご挨拶とさせていただきます。
Now, I would like to share with you my thoughts on the qualities of a global leader.
In my view, a global leader is someone who has a broad perspective, keeps learning from others, and continually improves themselves to contribute to society.
Above all, cherishing the relationships and encounters we have with others is important.
The people you meet bring you new perspectives, valuable lessons, and opportunities for growth.
Also, having a mindset of continuously challenging yourself is essential.
Facing difficulties will expand our potential and allow us to contribute more significantly to society.
I feel that these qualities align well with the philosophy of our university.
Pursuing academic excellence with a “Research First” mindset, embracing diversity with the spirit of “Open Doors,” and addressing social issues with a “Practice Oriented” attitude are exactly the qualities expected of us as global leaders.
I hope to create a brighter future with you, learning and growing together.
Thank you very much for your attention.
I sincerely wish you all great success and happiness in your future endeavors.
Thank you.
なお、授与式については東北大学のウェブサイトおよびSNSにも記事が掲載されています。併せてご覧ください。
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