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国際共修ナビ

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国際共修初心者から上級者まで必読!
履修の準備や協働の心構え・工夫をたっぷりご紹介します!

初心者編

履修計画

自分の目標を決めてみよう

たくさん授業がありすぎて分からない!そんなときは、まず国際共修を通してどんなことを学び、経験したいかを考えてみましょう。海外学生と交流してみたい?英語でコミュニケーション力を磨きたい?留学したい?留学に替わる経験がしたい?留学で身につけたスキルを維持したい?…など、ひとくちに「国際共修」と言えど、目的は十人十色です。やみくもに探すのではなく、まずは自分の国際共修での学びの目標を思い描くことが大切です。

目標を基にプランを立て、最適な授業を見極めよう

授業前の準備

自分のことを話す準備をしておこう

初対面のクラスメイトへ話しかけるときや、グループ内でのチームビルディングでは、自分を開示し、相手をよく知ろうとすることが大切です。その気持ちや心構えが、その後の信頼関係構築にもつながります。
一方で、自分のことや自国の文化について、意外と英語での説明が難しかったり、実は良く知らなかったりすることも…!以下のネタ集を参考に、授業が始まる前に相手のことを聞く準備・自分のことを話す準備をして、実際の授業で余裕を持って会話に参加しましょう。

雑談のためのネタ集

授業開講時期に使える話題

  • この授業を取ろうと思った理由は?
  • 何を専攻しているの?
  • どこの国・地域出身?
  • 出身国・地域を代表する食べ物は?
  • 大学生は週末何をして過ごすの?
  • 私の国にはこんな面白い文化があるよ。

毎回のワークで使える話題

  • 今の状況・気分はどんな感じ?
  • 週末は何をしたの?
  • どこの国・地域出身?
  • 最近覚えた日本語・英語はある?

協働学習・チームビルディング

外国語学習者に配慮した言語表現を心がけよう

自分の話し方、スピード、明瞭さ、使っている語彙のレベルは、その言語が母語でない相手を配慮したものになっていますか?相手からの質問がないから大丈夫、と考えず、時々話し合いを止めて理解を確認するなど、ネイティブである自分たちから歩み寄ることが大切です。

今注目を集める「やさしい日本語」って何?

日本語を母語としない人が理解しやすいように、優しい気持ちで易しく表現された日本語を「やさしい日本語」と呼びます。元々は1995年に起きた阪神・淡路大震災を受け、日本に住む外国人が災害時に適切で迅速な情報伝達を受けられるよう始められた取り組みです。現在では外国人観光客とのコミュニケーション、外国人住民との共生を促進する有用な手段として研究と実践が蓄積されています。日本語には敬語や曖昧表現、擬音・擬態語や外来語など非ネイティブにとって難しいと感じる要素が盛りだくさんです。情報を整理して、簡単に、明示的に伝えられると「やさしい」表現になります。日本語開講の授業では補助的な英語の使用が認められている場合もありますが、意欲をもって日本語での学習に挑戦している海外学生のためにも、まずはやさしい日本語を用いた意思疎通を意識してみるのが良いでしょう。

やさしい日本語のつくり方

1

情報の取捨選択・組み立て

  • 相手にとって必要な情報を絞り、優先順位の高いものから話す
2

文章の簡素化

  • 主語と述語を明確にする
  • 一文を短く、情報を詰め込まない
3

語彙レベルの検討

  • 相手の日本語習熟度に合わせ、伝わる語彙を選ぶ
  • 外来語、専門用語、敬語、略語、オノマトペには特に注意
  • 抽象的な言葉は言い換えるか、具体例を示す
4

( 書き言葉の際 )
漢字にはひらがなをふる

参考資料

対等な関係と互いに安心できる環境をつくろう

チームビルディングで意識すべきことのひとつが、誰もが安心して発言できる環境づくりです。言語や文化背景の異なる仲間との協働では、多様性を歓迎し、個々の強みや特性を活かしながら対等に関わり合うための方法を考えることが大切になります。特に海外学生や国際共修初心者が置き去りにされていないか、そうした仲間をどのように巻き込んでいけるか、絶えずグループのインタラクションのあり方を模索していきましょう。ワンポイントアドバイスにて、関係性構築の基盤となりうるグラウンドルールの共有について特集しています。ぜひチェックしてみてください。

協働学習の基盤!
「グラウンドルール」をつくってみよう

グラウンドルールとは、文字通り関係者間で合意された規則を指します。何のための合意かと言うと、他者との協働において「安全な場」をつくるためです。メンバーがそれぞれの個性を創造的に発揮するには、メンバーひとりひとりが互いに尊重され、「誰の意見も等しく受け入れられる場である」ことを全員が理解してい​​るという安心や信頼が欠かせません。こんな発言をしたら批判されるかな…という不安をメンバーの誰かが抱える環境では、効果的なコラボレーションが進まないでしょう。そこで、互いがこの協働において大切にしたいことや目標を共有し、その達成に必要である決まりごとを設定してみましょう。これにより、意味ある交流の土台を形成することができます。授業によっては、教員から学生全体にグラウンドルールが示されることもあります。その場合も、所属するグループで今一度それを確認したり、必要に応じて約束事項を増やしたりするひと手間が、関係構築とパフォーマンスの質に大きな違いをもたらします。国際共修ナビを参考にしながら、自分自身が関わるグループでの具体的な約束事にはどのようなものが必要か、ぜひ考えてみてくださいね。

「真」の協働で異と融合しよう

協働とは、異なる背景や強みをもつ人々が、共通の目標に対して責任と役割をもって関わり合い、全体への貢献を果たすことです。こう考えると、例えば、プレゼンテーションに向けたグループワークにおいて、メンバーが各自調べたことを順番につなぎ合わせるだけでは協働と言えません。異なるものをつなぎ合わせるのではなく、融合することで多様性の真価が発揮されます。

失敗は当たり前!試行錯誤で成長しよう

言語・文化背景の異なる他者と深く関わる国際共修はサプライズの連続です!コンフォートゾーンを出ることで、時には居心地の悪さを感じたり、逃げ出したくなったりすることがあるかもしれません。しかし、それを恐れて表面的な交流に終始していては、国際共修から学びを得ることはできません。言いたいことが伝わらない、「当たり前」が通用しない、そんな状況に直面したとしても、まずはその状況をしっかりと見つめ、自分の内部に湧き上がる葛藤に向き合い、コミュニケーション・スタイルや表現方法において粘り強く試行錯誤する経験を積んでいきましょう。順風満帆であることが常に望ましい状態であるわけではありません。むしろ、失敗や戸惑いから学んでいくことこそが、国際共修における成長の鍵です。

クイックレスポンスでチームを盛り上げよう

グループワークの際、メンバーの発言にはすかさずリアクションをとるよう意識しましょう。自分の意見やアイデアにフィードバックをもらえず沈黙が流れてしまうと、誰でも不安になり、モチベーションの低下を招いてしまいます。賛成や反対、質問や確認など、キャッチボールを止めない意識をもつことで、円滑なコミュニケーションにつながります。特に外国語での議論に参加する際は、積極的な発言を助けるようなお役立ち表現をストックしておくと安心です。授業時間外にテキストでのやり取りがある場合も、無理のない範囲で早めの返信ができると、交流の活性化につながります。

ためらいを捨てよう(語学編)

意見を述べる際、考えすぎて上手く言葉にできない、特に外国語では文法や発音の不安も重なって黙り込んでしまうという経験のある人は多いでしょう。伝えたい気持ちがあるのに、長く続く沈黙がその熱意までも覆い隠してしまう可能性もあります。考えがまとまらなくても、ひとつずつ言葉にしていけば良いのです。完璧な文法・発音で立派に話そうとする必要は全くありません。的確な表現方法がわからなければ、そのことを周りに伝えましょう。きっと、仲間がさらなる質問などを通して、あなたの考えを理解しようと歩み寄ってくれます。

ためらいを捨てよう(情緒編)

常に多様な価値観が共有される国際共修では、語学面の不安だけでなく、自分の考えが間違っているかもしれないという心配、批判されたらどうしようという恐れ、正直に伝えるべきかという迷いが、発言にブレーキをかけてしまうことがあります。しかし、ぜひ勇気を出して自分なりの意見やアイデアを伝えてみてください。国際共修では、共有される十人十色の意見がそれぞれ等しく価値をもち、それが互いにとってeye-openingな刺激となります。価値観には正解も不正解もありません。個々の立場や持ち味を生かした発言により、クラス・グループ内の多様性は一層響き合うことでしょう。

顔が見えるコミュニケーションを大切にしよう

科目担当の先生から授業外でもグループ活動をするよう指示があった場合、テキストでのやり取りに終始せず、定期的にオンラインミーティングを開いてみることもチームビルディングには効果的です。1週間のうち30分でも同じ時間を共有できそうであれば、ぜひ顔を合わせることで信頼感を育んでいきましょう。

スモールステップで進もう

「授業が終わるころにはこんな自分になっていたい」と理想を胸にクラスの扉を叩く学生は多いでしょう。しかし、一旦授業が始まると、自分の未熟さや克服すべき課題の多さを実感し、目指す姿とのギャップに落ち込んでしまうこともあります。しかし、それは当たり前のことであり、むしろ「ではどうするか?」を考え、自分なりに戦略を立て実行する絶好のチャンス、成長の機会なのです。今月中には、授業が終わるまで、という中・長期の目標を掲げつつ、目の前の課題ひとつひとつに向き合い、スモールステップで進んでいきましょう。「次の授業では最低2回発言する」「次のグループワークでは自分から海外学生に質問してみる」など、現実的で具体的な目標を立てましょう。目標設定について客観的なアドバイスがほしい場合は、教員に相談してみるのも一案です。(TAやサポーターがいる場合にはそちらも活用してみましょう。)

1人の影響力を自覚し、責任ある行動を心がけよう

協働学習では、1人の態度や行動が良くも悪くも周りに多大な影響をもたらすことを理解しましょう。例えば、グループワークの際、1人が自分の考えを主張し続けて、周囲の意見を受け入れないような態度をとると、仲間は安心して発言することができず、前向きな交流へと発展させることが難しくなってしまいます。反対に、メンバーの中で1人でも「そのアイデア良いね!もっと聞かせて!」などと肯定的な姿勢を見せることができると、その積極性はグループ全体に伝染するものです。仲間と望ましい関係を築くため、すべきこと・すべきではないことについて共通認識をもつことが大切です。また、授業時間外活動が多いプロジェクトの場合は、メンバー間で関与度に濃淡が出ないよう十分な意思疎通を心がけましょう。特に国際共修では世界各国の大学生が集まるので、時差の問題はもちろん学事暦(特に試験期間)の違いがグループワークに影響を及ぼすこともあります。互いの事情を配慮した役割分担や計画のもと、1人1人がチームの一員であることに責任をもち、モチベーションを高め合うような貢献をしていけると良いですね。

議論やワークの内容は全員で共有しよう

話し合った内容や集めた情報は、オンラインツールを用いて、グループメンバー全員が閲覧・編集可能な場所に随時ストックしていきましょう。プレゼンテーションやレポートなどを作成する際に参照できるという利点はもちろん、協働の過程が蓄積・可視化されることでチームのモチベーションアップにもつながります。授業時間外にひらめいたアイデアを自由にメモできる場所もあると、意見交換の場が盛り上がり、作業の効率もアップします。

PCツールを制する者はオンラインワークを制する!
オンラインで使えるツールはこれ!

国際共修とは一見関係が薄そうに見えるパソコンツール。実はパンデミックが始まってからの数年間で、オンラインでの国際共修は非常にメジャーになってきています。オンラインでのコミュニケーションをよりスムーズに、そして実りのあるものにするために、今一度使えるツールを確認してみましょう。

グループワークに使えるオンラインツール

1

オンラインミーティングツールZoom, Teams, Google Meetなど:オンライン会議のためのツール。ミーティングの設定方法、マイクとカメラのオンオフの仕方、画面共有の仕方、チャットの送り方を確認しておくと、より議論がスムーズになる。

2

オンラインドキュメント作成ツールGoogle Docs, Google Slides, Padletなど:同時に共同編集ができるところが優れもの。協働のためのリンクの共有の仕方やプレゼンテーションの開始方法を確認しておこう。

3

オンラインチャットアプリFacebook Messenger, WhatsApp, Slackなど:世界中で頻繫に使われているオンラインチャットアプリ。LINEは、実は日本以外ではユーザーが少ないため、事前にアプリをインストールしておくと海外学生との連絡先交換がスムーズに行える。

上級編

「楽しい」という気持ちがチームビルディングのコツ

チームの雰囲気作りに大切なのは、語学力だけではありません。笑顔や相槌といったボディランゲージは、「あなたの話に興味があるよ」という合図になり、よりオープンなコミュニケーションを生むことにつながります。特にオンラインでは、自分が思っているよりも、相手に感情が伝わりにくいものです。いつもより2割増しのリアクションをしてみる、意識して笑顔にしてみる、「私たち良いチームだね!」「今日はこんなに進んだね!」「ミーティングいつも楽しいよね」「ちゃんと聞いているよ」「○○してくれてありがとう」と一言加えてみましょう。ポイントは、いま一緒に何かを共に成し遂げようとしていることを「意識する」ことです。恥ずかしがらずに自分の気持ちを伝え合うことで、「チーム意識」が高まります。

目に見える形で思い出を残そう!

特にオンライン形式の授業では、対面形式の授業に比べてクラスメイトとのつながりが薄いな感じることもあるでしょう。実は、思い出を作る機会は、オンラインでも多く見つけることができます。グループミーティングでスクリーンショットをとって共有する、グループチャットの名前をメンバーと考える、Facebookで活動を情報発信し合うなど、少しの工夫がチーム意識の向上につながっていきます。

授業外のコミュニケーション
アイデアと実践例

「オンラインだとなかなか友達ができない」「課題をするためのミーティングばかりで雑談をする機会がない」「授業終了後も続く友人関係を海外学生と築きたい」…これらは学生の多くが直面する悩みです。オンライン授業では、教室内で自然と展開されていた交歓も失われがちという声もあります。そこで、雑談プラスαのおすすめ交流を紹介します!雑談の中でこそ、授業とは一味違う国際交流ができるのもまた事実です。以下のような例を用いて交流を重ね、クラスメイトとの信頼関係構築にもつなげていきましょう。

オンライン国際交流アイデア

グループで映画鑑賞、母国語を教え合う、簡単な料理を一緒にする、ご飯を一緒に食べる、折り紙など道具が必要ないワークショップを開催する、ゲームを一緒にする、など