
よくあるお悩み
グローバルなコミュニケーションには悩みがつきもの…
今日から実践できる BEST な解決法を見つけましょう!
言語の壁
…一体何が原因?
世界の英語話者の中で、母語以外の言語として英語を話す人は全体の78%(出典:Global Business Speaks English (Harvard Business Review) )だと言われています。つまり、国際共修の中で、英語を使って話す相手は必ずしも英語ネイティブとは限りません。英語を母語としない人にとって、それぞれ多様なアクセントを持っていることは当たり前です。受験英語のリスニングは聞き取れるのに、普段の会話では英語を聞き取れない…という問題に直面したときは、実は相手のアクセントやカジュアルな表現に耳が慣れていないことに原因がある可能性もあります。そんなときは、YouTubeなどの動画配信サービスを使って「活きた英語」に触れることがおすすめです。今は世界中のクリエイターが英語でたくさんのコンテンツを配信しています。自分が慣れたいアクセントで話すクリエイターの動画を見てみることで、楽しみながら英語に触れることができますよ!
もちろん、授業内で「分からないな、聞き取れないな」と感じたらその場ですぐに聞くことも大事です。気軽に聞き返したり、意味を確認したりする英語表現を勉強しておくと役立つでしょう。…など、ひとくちに「国際共修」と言えど、目的は十人十色です。やみくもに探すのではなく、まずは自分の国際共修での学びの目標を思い描くことが大切です。
英語学習オススメコンテンツ
スマホやパソコンを使えば、アプリやポッドキャスト、映画配信サービスなど、学生が気軽に使うことができるコンテンツが溢れています。自分のお気に入りコンテンツや映画、またはスピーチを探し、自然に英語を聞く習慣をつけてみましょう!実際に口に出して練習してみることもおすすめです。
- YouTube
- NETFLIX
- TED
- ABC、BBCニュース
英語に自信がない!どうすれば良いの?
始めから完璧を目指すのではなく、小さなステップを立てて成功を積み重ねよう。
「考えがまとまってから話す」必要はない!
自分の考えをまとめて英語で話すには、それなりの時間を要します。「しっかりまとめてから発言しないと」と思っている人も多いのではないでしょうか。確かに自分の意見を簡潔にまとめることも大事な議論のテクニックの一つですが、黙っている間に議論が進まなくなったりしては元も子もありません。特に多様なバックグラウンドを持った学生が集まる国際共修の場では、発言をしないと、「考えているのか、やる気がないのか分からない」という誤解を生んでしまうこともあります。100%の発言を目指すのではなく、まずは60%くらい考えが出てきたら発言をしてしまう、くらいの気軽さでどんどん声を出しましょう!
「今日の授業よりもひとつ成長する」目標を立ててみよう
国際共修の授業後、「全然話せなかった…」と落ち込む人はあなただけではありません。そんなときは、次の授業の目標を立ててみましょう!次の授業で1回は発言する、グループワークのときに発言した人に相槌を打ってみる、今度は自分から何か質問してみる、1回は手を上げてみる、自分が場を仕切るファシリテーターになってみる…など、次の授業での自分へのスモールゴールを決めましょう。授業の直後に行動するという点が鍵です。記憶が薄れないうちに目標を立て、次の授業前に確認する、という作業をルーティン化しましょう。もし、目標の立て方が分からない場合は、教員(TAやサポーターがいる場合はそちらも!)をいつでも頼ってくださいね。
どうすれば良いの?
英語での意見の伝え方の順序は、日本語とは大きく異なります。日本語は、一番伝えたいことを後に持っていく伝え方することが多いのですが、英語では、伝えたいことを一番はじめに持ってくる伝え方が好まれます。これがよく「結論ファースト」と呼ばれる話し方です。接続詞を使った長い文章を話す必要はありません。端的に、一番伝えたいことを話し、その後にそう考えた理由や背景にある事実を説明してみる練習をしてみましょう。もし人前で話すことに大きなハードルに感じる場合は、独り言練習も効果的です。通学中、お風呂に入っているとき、料理をしているときなど、目に入ったものに関して自分の意見を1分で話してみるトレーニングに挑戦してみてください。これを積み重ねることがグループワークでの発言の練習になります。最後に、何よりも大事なのは失敗を恐れずに実践してみることです。国際共修は、履修生が自分たちで多様性を生み出し、お互いの「違い」を学び受容していく場です。英語はそのツールであり、上手・下手でジャッジされるものではありません。このもどかしさこそ、学びへのステップそのものだとポジティブに捉え、どんどん挑戦していきましょう。
意識の壁(自分の課題意識)
自分の価値観は間違っているのかもしれないと感じ、意見を抑えてしまうことも…
どんな意識をもてば積極的に発言できる?
多様な仲間と議論する中で、自分の考え方は間違っているのかと動揺したり、批判されるのではないかと不安に感じてしまうこともありますよね。しかし、その葛藤こそが新しい視点の獲得や自己のメタ認知につながることがあるので、そうしたeye-openingな考え方に出会えたあなたはラッキーです!逆も然りで、あなたの意見が他者にとっては価値観の変容を刺激するサプライジングなものになっていると思いますよ。価値観に正解や不正解はありません。ぜひためらわずに自分の意見を伝えてみてくださいね。
何かできることはある?
クラス全体がつながるオンラインチャットの活用事例もあり!
特にオンラインメインの授業だと、グループ内の協働に終始してしまいがちですよね。グループが孤立化しているような感覚に陥り、自分たちが正しい方向に進んでいるか不安になったり、他との比較ができないため自分たちの方向性を見失ったりすることもあります。そんな時は、オープンに情報交換や相談ができる空間をつくるのも一案です。クラスの横断的な協力関係を活性化できるツールとして、LINEオープンチャット、Slack相談チャンネルの活用事例もあります。授業の一環として指定されていない場合も、より良い協働を促進するため、教員(またはTAやサポーター)に相談してみると、解決への道につながるかもしれません。
相手を傷つけずに答えることを避けるにはどうしたら良いの?
自分のことを答えるのではなく、一般的なことを紹介することで話をさえぎらずにコミュニケーションをつなげてみよう。
宗教、性的指向や民族的な背景などの自分のアイデンティティに関係することや、政治的思想を深く掘り下げられることに違和感や不快感を覚えることもあると思います。このような、答えることを拒否したいような質問をされた時に、ストレートに反応して険悪な雰囲気になるのを避け、コミュニケーションを続けるにはどうしたらよいか悩んだことはないでしょうか。そんなときは、まず正直に「その質問には答えられない(・答えたくない)」ということを伝えたうえで、話の軌道修正をしてみてはどうでしょう。「自分がどの立場かということはあまり言及したくないけれど、こんな構図で議論がされているよ」「こういう見方もあるよ」「新聞でこんなことを読んだよ」というように、プライベートな考えではなく、一般的な論を紹介することで、相手の気持ちを損なわずにコミュニケーションをつなげていくことができると良いですね。
また、自分が質問する側になった時に「この質問で相手を傷つけたりしないかな?」と不安になることもありますよね。「傷つけるかもしれないから聞かない」選択もありますが、「質問の仕方を変えてみる」選択もおすすめです。「これがタブーなのか分からないんだけど、これはこういうことなの?」「もし答えたくなかったらそのときは教えてほしいんだけど、これについてどう思う?」のように、相手の答える選択肢の幅を広げてみましょう。異なる環境で過ごしてきたならば、考え方や感じ方が違うのは当たり前です。お互いにとって心地良いコミュニケーションを心掛けていきましょう。
関与の壁(相手との関係)
こんなときはどうやって関われば良い?
環境や周りの対応に改善できるところがないか考えてみよう。
授業内の議論でほぼ無口になってしまう学生への関わり方、授業外活動にあまり協力的でなく、他のメンバーに比べて関与度が低くなってしまう学生への対応など、平等な参加・貢献に向けた仲間の巻き込み方は悩むところですよね。
国際共修における参加率の低下には、言語の難しさや異なる価値観に対面することへの意識など、その背景に様々な理由が考えられます。
まずはAさん本人に事情を聞いてみましょう。例えばAさんが海外学生で、日本語での活動に困難を感じているとしたら、まずは教員に相談して英語を補助的に使用したり、議事録を日英両表記にしたり、メンバーがやさしい日本語で話せているか再確認したりと周囲が工夫できることはたくさんあります。
Aさんに日本語の上達を求めるという一方的な対応はインクルーシブではありません。また、授業に参加する学生の学習経験やスキルは実に多様です。外国人との交流が初めての学生、留学経験のある学生、帰国子女の学生など、国際経験やそれに伴う国際共修へのレディネス(準備状態)は様々であり、それこそが国際共修の面白さでもあります。国際経験が少なく気後れしている仲間がいたら、答えを述べやすい問いかけを考え、自然に発言を促し、傾聴の姿勢を示してみましょう。
「自分の考えはグループの議論に貢献しており、発言が歓迎されている」と感じられると、徐々に自信をもって主体的に関与できるようになります。また、グループでの協働経験が少なくて困っているような仲間がいる場合は、まずメンバー間で役割分担をしましょう。グループのためにひとりひとりのすべきことが明確に共有されると、責任感も生まれ、協働の意識が形成されやすくなります。個々が自分の強みや特性を活かしながらチームに貢献できると、自己効力感の増大にもつながるでしょう。
仲間との関わり方について悩んだときは、教員に相談するのも悪いことではありません。自分たちで解決したいという姿勢は立派ですが、グループ活動を望ましい方向に導くため、早いうちに支援や助言を求めることは時に必要な対処法です。客観的な立場からの介入がグループに良い刺激を与えることもあるため、安心して教員を頼ってみましょう。
教員(またはTA、サポーター)にいつでもご相談を
自分たちで課題を遂行しようと努力するのは素晴らしい姿勢です。しかしながら、周囲のリソースやサポートを上手に活用することもまた大切な能力です。客観的な立場から助言をもらうことで、新たな気づきにつながることもあります。より良い学びのため、教員(またはTAやサポーター)と積極的に関わりましょう。
教員からのメッセージ
国際共修を取り入れた授業では、言語や文化背景の異なる学生さん全員が、学び合い、ともに成長する機会づくりを重視しています。皆さんの交流・協働が、相互研鑚につながるよう授業を設計し、皆さんの学びをファシリテートするのが私たちの役割です。困ったことや不安なことがあれば、いつでも相談してくださいね。
国際共修サポーターからのメッセージ
サポーターは全員が過去に国際共修を履修しています。もちろん、私たちの経験がそのままみなさんに当てはまる訳ではないかもしれませんが、何らかの葛藤や失敗を乗り越え、こうして新たな立場で国際共修に戻って来た存在として、学びをつなげていきたいと感じています。何かを与える存在ではなく、一緒に走っていく存在として、みなさんの喜びや苦しみに寄り添っていきます。
どうやって他の人にも回していけば良いの?
よりハイレベルなチームビルディングに挑戦してみよう。
①グループ内での役割分担をしてみよう
ミーティングや授業内議論のときには、必要な役割が多くあります。例えば、議論の進行役であるファシリテーター、書記、タイムキーパー、グループの活動をクラス全体に報告する発言者、そして画面共有など、オフラインでもオンラインでもいくつかの役割が挙げられます。毎週発言量が偏って固定化してきたと感じたら、ミーティング毎に役割を変えてみることも有効です。「今日は誰が書記をやる?」などと声を掛けてみるところから始めてみましょう!もし率先してやる人がいなかったら、あみだくじやルーレットなどのオンライン機能を使って決めていく方法も、チームで楽しみながら役割分担ができるきっかけになります。
②意見を聞いてみよう、迷ったときは言い換えをしてみよう
決まった人たちが会話を独占していたり、ミーティングのときに沈黙が多くなってしまったりすることもありますよね。そんなときによく使えるテクニックは「聞いてみること」です。「今何してるんだっけ?」「次は何をしたら良いかな?」「〇〇さんはどう考えている?」などと、周りに発言を促してみること良い会話の切り口につながります。また上級編として、誰かが発言してくれたときには、「今言ってくれたことってこういうことだよね?」と言い換えをしてみることも有効です。会話を円滑にするだけでなく、グループ内で同じ認識を持つことにつながるというメリットがありますよ。
仲間同士でスムーズに会話が進んでいるとき、自分だけ話についていけない… そんなとき、「分からない」意思表示をすることは、誰にとっても非常にハードルが高いものですよね。「わかっているかどうかを確かめるなんて失礼では?」「自分だったら傷つくかも」と、理解度チェックを先延ばしにしたくなる気持ちは分かります。ポイントは、聞き方と聞くタイミングです。海外学生だけに「ここまで理解できてる?」と聞くのではなく、国内学生も含めた全員に向けて「ここまで何か疑問に思ったことはある?」などと聞くことで、特定の個人へのプレッシャーにならないよう確認をすることができます。そして、聞くタイミングはこまめに入れていきましょう。全て話し終わってから内容についてこれているかの確認をするのではなく、一つ伝えたいポイントが終わる毎に質問ができるような時間を設けることが、誤解を生むことを防ぎます。お互いが十分に理解していないまま議論を進めてしまうと、後々より大きな事態に発展してしまう可能性もあります。全員が同じ認識でワークを進めていくことができるように、気軽に質問をし合える、確認し合える雰囲気を作っていきましょう!
ファシリテーターとは、その名の通り、参加者の活発な意見交換を促進する存在です。自分の意見を伝えることに加えて、議論の流れをまとめたり、仲間に発言を促したりと、より充実した協働を目指すうえで重要な役割を担います。ファシリテータ―は、就職活動のグループディスカッションにおいても必ず設定されるポジションであり、より良いファシリテートをしていくためには経験・訓練が欠かせません。まずは議論をつなげていく役割を意識してみましょう。おすすめは仲間の発言に対し、質問形式でのリアクションをとることです。「もっと詳しく知りたいのですが、それは〇〇ということですか?」「なぜそう考えたのですか?」などと、次につながる発言ができると自然なファシリテーションになります。また、賛成や反対を述べる際も、「賛成です」という意思表示に加えて「私も〇〇という理由から賛成です。違う考えの人はいますか?」などと意見を追加しつつ誰かの反応を促すと良いでしょう。キャッチボールやリレーのバトンつなぎをイメージして、議論を継続・発展させられるような質問を投げかけてみましょう。