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東北大学グローバルラーニングセンター GLOBAL LEARNING CENTER, TOHOKU UNIVERSITY

海外留学体験談 【交換留学】

交換留学の体験談をご紹介します。


  • #4_2019年1月-2019年12月 フィンランド・オウル大学 教育学部 森坂 太一さん
  • #3_2019年1月-2019年12月 米国・ノースカロライナ大学シャーロット校 法学部 武田 真穂さん
  • #2_2017年8月-2018年6月 スウェーデン・王立工科大学 工学部 和田 朱音さん
  • #1_2017年8月-2018年5月 シンガポール・シンガポール国立大学 経済学部 栗原 滉平さん



    #04





    社会理解やコミュニケーション能力、進路に影響を与えた1年間
    森坂 太一さん 教育学部2年(プログラム参加時)  

    派遣大学: フィンランド・オウル大学
    留学期間: 2019年1月~2019年12月


    自分の当り前は外れ値かもしれない
     1年間他国で生活する中で、私にとっての社会は私が見ている社会でしかなく、他者にとっては見えている社会が全く異なる可能性があることに気づきました。例を示すなら、現地高校への訪問をする中で、「大学」という概念も日本と諸外国では全く異なり、フィンランドでは依然エリートなイメージが強いように感じました(日本の大学進学率が50%以上なのに対し、フィンランドでは高校卒業直後には15%程度しか進学しない)。この例は諸外国と日本間の教育文化の違いにすぎませんが、より一般的に自分の見えている社会以外の可能性を想定し、多様な視点を持つよう心掛けるようになりました。

    コミュニケーション力と社交性の向上
     留学期間中、様々なことを経験する中で多様な挫折を経験する中でコミュニケーション力が比較的成長しました。留学初期には様々な挫折を経験しており、具体的には授業のレベルの高さから何も発言できなかったり、言葉が通じなかったり、現地の学生との「ノリ」が合わなかったり、友人に誘われて行ったナイトクラブの楽しさが全く分からず重低音の響く中立ち尽くしたりと、枚挙にいとまがありません。しかしそのような失敗を重ねているうちに相手にどう思われているのかといったことがあまり気にならなくなったり、初対面でも話ができたりするようになりました。これらの成長は全く知らない社会の中に飛び込んでみて、様々に挫折を経験したことの賜物だと思います。

    良くも悪くも進路に影響
     留学での経験は私の進路に良くも悪くも影響しました。よかった点としては、卒業論文のテーマにしたいと思える研究対象に出会え、より深く研究したいと思い、大学院への進学とつながったことです。他方マイナス面としては、1年間留学した学生が4年間での卒業かつ就活はなかなか厳しいものがあり、私の大学院への進学についてもそのような点がありました。この点で留学のメリットは大きい反面、何らかの不便はこうむることになると思います。ただし、どの様な選択をしても多少の後悔はつきものだと思いますので、自分が納得できるよう行動すればいいのかなと思いました。



    #03





    緑に囲まれ、仲間に恵まれ、刺激や気づきの多い濃密な1年間でした。
    武田 真穂さん 法学部2年(プログラム参加時)  

    派遣大学: 米国・ノースカロライナ大学シャーロット校
    留学期間: 2019年1月~2019年12月


    世界中から集まる学生とのグローバルハウスでの共同生活
     私は、アメリカや世界中から集まる学生計14名で共同生活を行う、留学先大学の国際交流プログラムにおけるシェアハウス型の寮に入りました。寮内外での日常的な交流に加え、ミーティング、月2回のイベントの企画開催、移民スクールでのボランティアを通して親交を深め、刺激的な毎日を送りました。個人の自由が尊重される米国の寮には詳細な規則はなく、それぞれの学生の出身、文化や宗教が異なるため、相入れない習慣や考え方により時に衝突することもありましたが、補うルールを皆で考える話し合いを繰り返し、最終的には一つの家族のようになりました。現在も国を越えて交流しています。この、単なる日常生活のようで、実は共にミッションに取り組んでいるような貴重な経験を通して、多種多様な人々が存在する中で、各々の相違を理解、尊重し、歩み寄ることが重要であると実感しました。

    自然と高まった学ぶ意欲
     米国の大学に法学部がないため、留学時は、刑法、少年法、警察官業務等の法律関連や政治外交関連の講義を中心に、社会学、心理学、ジェンダー学など幅広く学びました。事前に配布された資料のもと、意見のある学生が自由に議論を始めることや、教授が学生を対等に見てディスカッションできる米国の授業スタイルは、魅力的でした。授業外では論文や意見をまとめる課題、グループプロジェクトが多く、初めの頃はこれらに追われていました。米国の歴史や実状の知識、体験が現地学生より圧倒的に少ないこと、課題を効率的にこなしていく力不足を認識して、周りからアドバイスを得て、授業内外でのパフォーマンスを改善することができました。様々な分野の学問に情熱を持った周りの学生からの刺激を受け、純粋にもっと知識を深めたいと思い、勉強に真摯に取り組むようになりました。自ら学ぶ力が身についたと感じています。

    切磋琢磨できる大切な仲間との出会い
     寮生活や授業に加え、様々な機会を通じて、専攻の異なる学部生、院生や社会人等学内外の友人が増えて、勉強と遊びのオン・オフの切り替えにより、心身共に充実した生活を送ることができたと思います。何気ない会話からでも、年齢や出身、専攻が異なる人々が個性ある英語で互いを尊重しながら議論する、そんな時にグローバルな空間をより肌で感じることができました。多種多様な仲間が、各自信念を持って日々奮闘する姿を間近で見て、世界には様々な考え方生き方があるのだと再認識しました。学業に励める現状に感謝し、今をどう生きたいのか考え、そのために自らの意志で行動することの大切さに気づかされました。



    #02



    北欧の自然に囲まれながら、「知る」ことの楽しさを知りました
    和田 朱音さん 工学部3年(プログラム参加時)  

    派遣大学: スウェーデン・王立工科大学
    留学期間: 2017年8月~2018年6月


    宇宙工学分野で国際的に活躍するために
     小惑星探査機はやぶさが、度重なるアクシデントを乗り越えて地球に帰還したのは、私が中学2年生の時でした。この歴史的なイベントを通してすっかり宇宙に魅了された私は、将来宇宙工学分野で国際的に活躍したいという夢を抱き続けてきました。王立工科大学(KTH)では元宇宙飛行士の教授が教鞭をとっており、国際宇宙ステーション滞在経験を踏まえたレクチャーを通して、宇宙開発について深く学ぶことができます。授業で幅広い専門知識を得るとともに、同じ志を持つ学生と交流することで夢の実現への第一歩を踏み出したい、との思いからKTHへの留学を決意しました。

    主体性が身に着く授業
     KTHでの授業の大きな特徴として、プロジェクトワークが挙げられます。東北大では座学が多く、受け身な姿勢で授業に臨んでしまっていましたが、KTHでは学生の主体性が強く求められます。例えば、有人宇宙開発に関する授業では、月周回軌道に建設が提案されている有人宇宙ステーションを一からデザインするというプロジェクトワークを行いました。進行などは全て学生に委ねられており、学生間で意見を出し合いながらプロジェクトを進めていきました。同じグループの友人と夜まで作業に明け暮れたり、宇宙のことや自分の将来について夢中になって語り合ったりしたことは、忘れられない思い出です。

    留学を通して視野が広がり、「知る」ことの楽しさを知った
     KTHが位置するスウェーデンのストックホルムは、水と自然に囲まれた美しい街です。都会でありながらも落ち着いた雰囲気で、勉学に打ち込むのに最適な環境でした。授業や大学内外のイベントを通して、世界各国の学生と出会いましたが、Fika(コーヒーを片手に談笑する、スウェーデン特有の文化)をしながら自国の文化・慣習について話したり、政治や国際問題について真剣な議論を交わしたりする機会を多く得たことで、「世界には自分が知らないことが沢山ある」ということに気付きました。それと同時に、常に広い視野で物事を捉える習慣が身に着き、知ること・学ぶことの楽しさを実感することができました。沢山の友人に囲まれ、日々新しい気付きを得ながら過ごした10ヵ月間の留学生活は、私の一生の宝物です。



    #01





    優秀でユニークな人に囲まれ刺激を受けながら、自分を見つめなおす貴重な機会でした。
    栗原 滉平さん 経済学部3年(プログラム参加時)  

    派遣大学: シンガポール・シンガポール国立大学
    留学期間: 2017年8月~2018年5月


    自分の力を試すべくアジアNo.1大学へ
     私の留学の目的は主に、①自分の力試しと成長のためにレベルの高い環境に身を置くこと②ビジネスの勉強③中国語の習得、の三つでした。以上を踏まえて、中国語圏であり金融・ビジネスの中心地でもあるシンガポールという国、そして世界中から優秀な学生が集まるアジアトップの総合大学、シンガポール国立大学を選びました。

    留学の経験と学び
     留学中は力不足を痛感する日々の連続でした。「自分の力=どれだけ価値を生み出せるか」ととらえて生活をしましたたが、語学力にハンディキャップがありながら自分より優秀な人の中で価値を出すことは簡単ではありませんでした。そこで自分にとことん向き合い試行錯誤することを繰り返しました。その結果、知識や思考の面で他学生に及ばなくても、自己理解を深めるにつれ、次第に自分なりの強みや個性を生かした価値創造ができるようになりました。
     また、他大学から来た日本人学生たちは、留学生活を送るうえで非常に大きな存在でした。出身も年齢も専攻も異なる学生たちと話し、様々な価値観やバックグラウンドに触れることは刺激的でした。彼(彼女)らは優秀で個性的な人ばかりで、仲間であると同時に、追いつき追い越したいと思うライバルのような存在でもありました。その存在は、留学中の生活を送るうえで大きなモチベーションでした。
     授業は、School of Computing 開講のビジネス関連科目でデータサイエンスを中心に受講しました。理系学部の開講ということもあり、内容は数学(統計学)やプログラミングが中心でした。当時の私にとってビジネスをデータドリブンで数学的なアプローチで考えることは新鮮で、プログラミングも文系の私にはなじみないものでしたが、実践的な授業を通じて学んだことで一層面白く感じました。留学をきっかけにこの分野に興味をもち始め、帰国後も継続して勉強しています。

    留学を経ての心境の変化と進路の決定
     留学は自分の将来を考える機会でもありました。留学中の様々な人と出会い、力不足を感じた経験から、より成長したいという気持ちと専門性をもちたいという気持ちが強くなりました。さらに、より学びたいと思う分野を見つけられたこともあり、データサイエンスを専攻に大学院に進学することを決めました。